麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。
2025/05/22
子犬を迎え入れる時はこれからの生活を想像して楽しみな気持ちでいっぱいかもしれません。
しかし実際に子犬と生活してみると色んなことが気になり、悩んでしまうこともあるでしょう。特に初めて犬を飼う人にとっては、子犬がなかなかフードを食べてくれない、と悩む事もあるのではないでしょうか?
この記事では、子犬がフードを食べてくれない原因や、そんな時の対処法について解説していきます。
新しい環境は子犬にとってストレスとなることもあります。急激な環境の変化により、ストレスを感じ食欲が落ちてしまう子犬もいるでしょう。
可能であれば今まで使っていた毛布や食器、フードなど、始めは馴染みのあるものを用意してあげることで少しでも不安を取り除いてあげましょう。
また、今まで食べていたフードから、急に別のフードに切り替わると警戒して食べなくなったり、お腹の調子を崩したりすることもあります。
フードを変更したい時は、今までのものと新しいものを混ぜ、段々と新しいフードの割合が大きくなっていくように時間をかけて切り替えていきましょう。
テレビの音や同居犬などもストレスの元となります。
ケージやサークルなど、子犬でも安心しやすいテリトリーを作っておき、徐々に行動できる範囲を広げていきましょう。
1回の食事量が多いと消化が間に合わず、空腹を感じにくくなります。特に小型犬は胃が小さく、消化に時間がかかるので、1回に与えるフードの量は減らし、食事の回数を増やしてみましょう。成長段階にもよりますが、子犬であれば様子を見ながら3〜5回くらいに食事回数を分けてあげると良いでしょう。
1日に与える量はフードのパッケージに表示してあるので、それを参考にして、1回あたりの食事量を計算してみてください。
逆に、ある程度成長してくると自然と食欲が落ち着いてきます。食べ盛りを過ぎたら自然と食事量が減りますので、その食欲にあわせてごはんの量を調整してください。
子犬用のフードは基本的に高カロリーになっていて、あげるフードの量が多すぎるとむしろ肥満の原因になりますので、日頃から犬の身体をよく触り、肥満度をチェックしてみてください。
子犬の頃は特に可愛く、おやつをたくさんあげてしまいたくなります。しかし、おやつのあげすぎによりお腹いっぱいになってしまうと主食のフードを食べられなくなってしまって栄養が偏ってしまいます。
自分は少ししかあげていないつもりでも、他の家族がおやつをあげていれば、過剰にあげてしまっていることになります。家族でも相談して、ルールを決めておくと良いでしょう。
また、おやつを好むあまり、普通のフードを食べてくれず偏食になってしまうこともあります。しつけトレーニングなどをしたい時のご褒美はおやつではなく、ドライフードにしてみても良いかもしれません。
フードが食べにくかったり、美味しくなかったりすることで食べない子犬もいます。
子犬用のフードは小さい粒で作られていることが多いことからも分かるように、大きいサイズの粒や、硬いものは子犬にとって食べにくく、避けた方が良いでしょう。
ただ、自分の好きではないごはんを食べなかったら別のフードやおやつが出てくる、と学習してしまうと、偏食が悪化することがあります。
偏食をなおすためには、次のごはんまで何もあげないようにしてみるのも一つです。
このフードしか出てこない、と思わせることで、自然とお腹が空けば食べてくれるようになるでしょう。
フードを食べてくれた時にはたくさん褒めてあげてください。
また、食べ残したフードをそのままにするのは避けることをおすすめします。
フードの脂肪分が空気に触れることで酸化し、風味が悪くなってしまいます。暑い季節では痛んでしまう可能性もあるため、ある程度時間が過ぎたら食器は片付けましょう。
食欲がなく、以下のような症状もみられた場合は体調不良が原因の場合もあります。
子犬は長時間食事を摂らないことで低血糖になってしまう可能性もあります。命に関わる場合もあるため、ただの食欲不振だとあなどらず、気になることがあれば早めに動物病院へ相談してください。
それでは、子犬にとってどんな栄養素が大切なのか、今あげているフードにはそれがしっかり含まれているのか、逆に過剰に含まれているものはないか、確認してみたことはありますか?
犬種や体格、成長段階によって大切な栄養素に多少の違いはありますが、必要な栄養素がバランスよく含まれた消化に良い総合栄養食を選んでいれば基本的に栄養不足・過剰になることはないでしょう。
なお、子犬期は全年齢対応の総合栄養食を選んでください。
成犬と違い、子犬は急速に成長していきます。そのためには成犬用よりもエネルギー含有量の高いフード、つまりカロリーの高いものが必要です。
骨格の成長のためにカルシウムやリンなど、ミネラルのバランスも大切になります。
しっかりとバランスの取れている良質な総合栄養食を食べていれば、栄養不足になることはありませんが、栄養の過剰摂取も問題となることがあります。
例えば、カルシウムやビタミンDを成長に必要なイメージがあるからといって、サプリなどで追加する必要性はありません。むしろ、大型犬の子犬に過剰なカルシウム・リンの多いもの、エネルギーを含む高脂肪食などをあげると、骨関節系の疾患にかかる可能性もあります。
タンパク質は体の構成要素であり、成長、発達、体組織の修復、消化酵素、免疫系のすべてにかかわっている大変重要な栄養素です。
特に、タンパク質を構成するアミノ酸が重要で、動物性タンパク質と植物性タンパク質両方を使用したものを与えることで、さまざまな種類のアミノ酸をバランス良く摂れるでしょう。
成長期の犬にとって、オメガ3脂肪酸の一種であるDHAは脳の発達や学習能力の向上、聴覚の発達などを促すと言われています。
子犬がフードを食べない理由は、ストレスから食の好み、体調不良までさまざまです。
人間と同じく、犬でも食事は毎日のこと。
毎日の食事が犬にとっても楽しみであり続けられるよう、まずは食欲不振の原因を考え適切な対応がとれるよう、日頃からよく様子を観察し、愛犬にぴったりのフードを探してみてください。
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