猫の歯を健康に保つデンタルケアのすすめ

2020/10/20 更新日:2022/8/29

猫 デンタルケア

人間と同様に、猫の歯の健康を維持するためには定期的なデンタルケアが必要です。

猫は痛みをかなり我慢する傾向があり、さらに歯周病のようなトラブルは見た目ではわかりにくいこともあるため、飼い主が注意を払う必要があります。

歯のトラブルによる痛みや苦痛は猫の生活のさまざまな部分に影響を与える可能性があり、未然に防ぐことがなにより大切です。

この記事ではそんな猫の歯のトラブルを未然に防ぐデンタルケアについて詳しく解説します。

猫の歯の構造について

猫 歯 構造

猫の歯は、「犬歯」「切歯」「臼歯」の3つの構造から成っています。そのほとんどが肉を切り裂きやすい先の尖った形をしていますが、それぞれに次のような役割を担っています。

上下に各2本大きく尖って生える「犬歯(けんし)」

獲物の首筋に差し込むことでくさびの役割を果たし、獲物を仕留めるために使われます。肉を引き裂く際に使われることもあります。

正面上下に各6本並ぶ「切歯(せっし)」

獲物を捕らえたり、物をかじったりする際に使われる他、グルーミングをする際には櫛のような役割をすることもあります。

奥歯と呼ばれる「臼歯(きゅうし)」

犬歯よりさらに奥にある歯で、前臼歯が上に6本、下に4本、後臼歯が上下各2本あります。

人の臼歯は、食べ物をすりつぶす役割をしますが、猫には食べ物を咀嚼する習慣がないため、臼歯も上下の歯が少しずれた食べ物を噛み切ることに特化したはさみのような構造をしています。主に肉を噛み切るときに使うため「裂肉歯」と呼ばれることもあります。

気をつけたい猫の歯周病

猫の歯のトラブルの中で、最も多いとされるのが「歯周病」です。

歯と歯肉の境目には、歯周ポケットと呼ばれる数ミリの溝があります。ここに歯垢(プラーク)がたまると歯垢の中に潜む細菌や細菌が出す毒素などによって歯肉が炎症を起こしてしまいます。

これが歯周病です。

さらに歯垢を放っておくとどんどん硬くなっていき歯石となり、さらに歯垢がつきやすくなります。その結果細菌が増殖し、歯肉だけでなく歯周組織にまで炎症が広がっていきます。

歯周病があまりにひどい場合は、全身麻酔をかけて歯石を除去し、歯周ポケットに入り込んでいる歯垢も綺麗に取り除く処置が必要になる場合もあります。

猫にとって全身麻酔は大きな負担となりますので、飼い主としてはどうしても避けてあげたい病気です。

猫の歯のトラブルに気付く方法

猫 歯 トラブル

歯周病など猫の歯のトラブルに気づくためには日頃から注意深く観察することが大切です。猫が歯のトラブルを抱えている兆候のいくつかは次のとおりです。

  • よだれ
  • 口の周りや顔を掻く(気にしているそぶりを見せる)
  • 食べづらそうにする
  • 食欲減少
  • 歯茎の腫れや出血
  • 歯がグラグラしている、または欠けている
  • 唾液に血が混じる
  • 口臭

百の治療より一の予防

百の治療より一の予防

猫の歯の健康を維持するためにできることはたくさんあります。まずは獣医師による定期的な検診です。

動物病院へ1年おき、または半年おきに訪問することは、歯のトラブルを早期に特定するのに役立ち、治療しやすくなるでしょう。歯のトラブルが深刻な場合、より詳しい症状を知るために全身麻酔が必要なケースもあります。なるべく早いタイミングで問題に気づくことができれば対処方法の選択肢も広がります。

もう一つは、自宅でも猫の歯・歯茎を良好な状態に保つデンタルケアを行うことです。

具体的には歯周病の原因である歯垢を溜めないことが大切です。一日一回、少なくとも週に2~3回の歯磨きをすることで、歯周病予防の効果が期待できます。

自宅での猫の歯磨き・デンタルケア

自宅での猫の歯磨き・デンタルケア

多くの飼い主は、歯を磨こうとすると猫が抵抗すると思っていますが、方法や道具を工夫すると、案外お手入れを受け入れる猫が多いものです。先入観を持たず、うちの子に合わせたデンタルケアにチャレンジしてみましょう!

可能であれば、子猫の頃にこの練習を始めるのが最善ですが、シニア猫でも試してみる価値があります。猫用歯ブラシと色々なフレーバーの歯磨き粉があり、デンタルケアが楽しくなるでしょう。

人間用の歯ブラシの形や大きさ、歯磨き粉の味は、猫たちに「これ(歯磨き)したくない!いやだ!」と思わせるきっかけになってしまうので注意が必要です。特に人間用に作られた歯磨き粉の使用は猫に害を及ぼす可能性があるので避けてください。

指先につけて直接歯を磨くシートも使いやすいです。または、歯磨き粉をつけたガーゼで少し磨くだけでも、一定の効果が得られます。

これから猫の歯磨きをお考えの方はかかりつけの動物病院で正しい猫の歯磨きのやり方を教えてもらうのもお勧めです。

猫のデンタルケアにも良い食事は不可欠

猫 デンタルケア 食事

猫の健康的な食生活もデンタルケアには重要です。

猫の口を健康に保つのに役立つ特別な酵素や歯石の形成を抑えることによって歯の健康をサポートしてくれるキャットフードもあります。

このようなキャットフードの例として、下記のような特徴があります。

  • 歯を「こすって」歯磨きの時間を短縮する粒の形状をしている。
  • 歯石が蓄積するのを防ぐためにカルシウムと結合する成分も含まれている。

キャットフードの他には、 歯みがきや噛むことを促すことによって歯の健康を改善するのに役立つようなおもちゃも売っています。

その他にも歯科衛生のために特別につくられていて獣医師推奨の製品もあります。このように歯のケアができる商品はたくさんあります。

またドライフードを与えることは、歯垢や食べかすをこすり落とすのに役立つと考えている方も多いようですが、必ずしもそうとは限りません。

確かにドライフードのような固形物を食べることで歯石が物理的に落ちることもありますが、フードに含まれる炭水化物(デンプン)は、歯垢(歯に付着する細菌の塊)の原因の1つになります。水によって細かい食べかすを取り除くことができるので、猫が常に新鮮な水を摂取できるようにしましょう。

色々なデンタルケア用品

猫の歯の健康の重要性がますます認識されるようになるにつれて、市場では新しいデンタルケア用品が増えています。これらは、猫が歯を磨くことを嫌がる場合に特に役立つかもしれません。

猫のデンタルケア用品には次のものがあります。

  • 猫の水に混ぜて与えることで歯垢や歯石の蓄積を防ぐ商品
  • 猫の口腔や歯に直接スプレーするもの
  • 歯磨きシート
  • キャットニップを含んだ歯磨き用のおやつ、おもちゃ、ボール

どれがあなたの猫に最も適しているかわからない場合は、獣医師または信頼できる経験豊富なペット用品販売店にアドバイスを求めてみるとよいでしょう。

獣医師による歯のクリーニングの必要性について

獣医師 歯 クリーニング

猫の年齢、遺伝的要素、食事、ライフスタイル、他の疾患の有無によって異なります。そしてもちろん、自宅でのデンタルケアの状況も考慮する必要があります。

定期的に獣医師にチェックしてもらい、状態によってはクリーニング(スケーリング)してもらわなくてはいけないこともあるでしょう。

猫の歯のデンタルケアまとめ

歯が不健康だと重大な健康上のリスクを引き起こしてしまい、一生を台無しにしてしまうことがあります。

猫のデンタルケアについて積極的に行動することは、猫が健康で長生きすることにつながります。今回の記事を参考に猫にあったデンタルケアにぜひチャレンジしてみてください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

Shirley Culpin

シャーリーは45年間犬の世界に関わってきました。 彼女のアイリッシュセッターは、ドッグショーで最高栄誉であるベストインショーを何度も獲得し、オビディエンス(服従訓練)競技優勝、猟野競技会(狩猟犬の大会)のタイトル、アジリティー競技会のタイトルを獲得しています。彼女は積極的に犬のボランティア活動やペットシッターのサービス「Home Away from Home」の提供を続けています。