【獣医師監修】猫の下痢や軟便はなぜ起きるの?猫のウンチを観察して、お腹トラブルを解決しよう!

2021/10/18 更新日:2021/12/5

猫 下痢 軟便

あなたは、うちの猫のウンチの見た目や量がこれで大丈夫なのかどうか、どんなウンチが「正解」なのか、考えたことはありますか?

猫はとても綺麗好きで、たいてい教えなくても決まったトイレで排便します。そして、昨今の猫砂やシステムトイレの機能はどんどん進化しており、ウンチの水分やニオイを素早く吸い取ってくれます。これは猫と暮らす日常の生活ではありがたいことですが、このような生活スタイルの場合「フレッシュなウンチ」を観察するシーンは少なくなるかもしれません。

ウンチの観察は、猫の健康に関するたくさんの疑問を解決するだけでなく、潜在的な問題の危険信号に気付く手助けにもなります。

時間が経ったウンチは、色や形状(軟便かどうか)の判断が難しくなるため、もし可能なら、猫がウンチをする時間帯を把握してできるだけ新しい状態で確認したり、たまたまウンチをするシーンに出くわしたときにしっかりと状態を観察したりしてみてください。

きっと、その子の健康状態や今のフードが体質に合っているかどうかの良い判断基準になるはずです!

健康な猫のウンチとは?

飼い猫のウンチの色は何色でしょうか?

猫 ウンチ

正常なウンチは、こげ茶色をベースにした濃淡(少し薄い色や濃いこげ茶色)や少しのカラーバリエーション(黄色っぽい、緑っぽいなど)が出ることがあり、それは問題ありませんが、次のような色の場合は注意が必要です。

たとえば、赤。

血便になればさすがにすぐ気づくはずですが、ウンチに血や血の筋が見られる場合は下部腸管の出血を示している可能性があります。

赤い血のようなものが猫砂についていれば、さすがに気づく飼い主さんが多いと思いますが、気が付きにくく注意が必要なのは「黒い便」「黄色い便」です。

どす黒いウンチは胃や小腸の出血を示している可能性があります。排便から時間が経ったウンチは水分が抜けて黒っぽくなることがありますが、その黒さの加減があまりに普段と異なる場合は注意が必要です。

薄い黄土色や黄色がかったウンチは、肝臓、胆嚢または膵臓の問題を示している可能性があります。

色の変化が1回見られても慌てる必要はありませんが、変化が1〜2回以上続く場合はサンプルを取り、かかりつけの獣医師にチェックしてもらいましょう。

また、フードによって、黄色っぽい、黒っぽいなどウンチの特長が変わりますので、ウンチの色と今あげているフードをリンクさせて覚えておく(メモしておく)と良いでしょう。毎日同じフードを食べていれば基本的にウンチの色はあまり変わりません。このことを念頭に「普段より黒い・黄色い」などの判断材料にしてみてください。

なお、人工の着色料を含むキャットフードを与えている場合は、この成分がウンチの色に影響を与えている可能性があります。

ウンチの粘度・硬さ

ウンチの粘度・硬さ

ウンチは適度に固まった円柱状になることが健康的であり、乾燥しすぎたり、硬すぎてコロコロの状態だったり、水分が多すぎたりする場合は、健康的なウンチとは言えません。また、柔らかい粘土のような粘稠度があり、トイレの砂に滲むことなく、そのままの形ですくうことができるはずです。

ウンチが硬すぎると、排出できずに便秘状態になる場合もあります、猫は積極的に水分を摂らないことから便秘で悩む子も多くいます。水を飲みやすい環境づくりや、適度な食物繊維のあるフードを選ぶなど、ウンチが固くなりすぎないよう気を付けてあげてください。

また、猫によっては緩い(水っぽい)ウンチになりやすい子もいますが、これをその子の自然な体調の変化として許容するかどうかは、「ウンチの形」が正常かどうかか判断のバロメーターになります。形が保たれていないか、保たれていてもすくおうとすると容易に崩れてしまう場合は、「軟便」の症状があると思ってください。

食べ過ぎてしまった場合や、ストレスに弱い子は、突然下痢を起こすことがあります。いずれにせよ、形のないウンチ=下痢が数回以上続く場合は、かかりつけの獣医師に相談が必要です。

ウンチの表面の様子

ウンチの表面

ウンチの表面は、ほとんど均一で綺麗な見た目のはずです。

毛繕いで飲み込んだ被毛が混ざることもありますが、大量でない場合は特に気にする必要はありません。

もし、ウンチに粘液状のコーティング、ゼリー状の付着物、または血液の付着がある場合は、ペットの大腸に問題がある可能性があります。

このような症状が1回だけ見つかることは大きな問題ではないこともありますが、排便ごとに異常なコーティングが見られる場合は、動物病院を受診しましょう。

ウンチの中身

ウンチの中身

・誤飲・誤食や未消化の素材
通常のウンチの色以外の固形物や欠片のようなものが見えた場合は、必ず内容を確認しましょう!普段遊んでいる猫じゃらしなどの一部や未消化の素材などが確認できた場合は、遊び方やゴハン選びを再考する必要があるかもしれません。

・被毛
ウンチの中に一定の被毛があるのは問題ありません。しかし過度なストレスがかかっていると執拗に体を舐めて落ち着かせようとする行動に出ることがあります。このような場合は、ウンチの中にもかなり多くの被毛が混じります。普段より多くの被毛が気になる場合は何か危険信号があるかもしれないと注意してみましょう。

・植物
過剰な猫草が出てくる場合はお腹トラブルを示している可能性があります。

・寄生虫
小さなご飯のような小片や、ゆるく長い紐状の生き物が発見されたら・・・寄生虫です!!発見されるムシは瓜実条虫(サナダムシ)が多いですが、他にも回虫やマンソン裂頭条虫という寄生虫がつくこともあります。

虫の種類によって、薬の種類や量が異なりますので、虫を発見したらできれば現物を持ってすぐに獣医さんに行きましょう! 動画を撮れればその情報も良い判断材料になるかもしれません。

猫の下痢・軟便などお腹トラブルについて

猫 下痢・軟便

下痢は、便の状態や下痢の症状の期間により、以下のように分類されます

1.軟便

水分量が多く半固形状で持ち上げるとウンチの後が残る、ウンチの形が保たれていない、保たれていても容易に崩れてしまう状態です。

2.水溶性の下痢(水様便)

ウンチの水分が90%以上になると「水様便」と呼ばれる症状になります。液状の便の中に少し固形が混ざるような状態です。

3.血便

ウンチの中に血液が混じっている状態です。上述の「ウンチの色」でお伝えしたとおり、赤い便、どす黒い便を排泄する場合はこの状態を疑う必要があります。出血の部位によってウンチの色が異なる傾向があり、大腸からの出血の場合は赤く、胃や小腸からの出血の場合は黒く変色した便が排泄されます。

4.小腸に原因がある下痢

下痢の原因が小腸にある場合は、水様便になりやすく、一回に出る下痢の量も大量です。食べたものが未消化でウンチに出てくる症状がありますが、排泄の回数はあまり増えない傾向があります。小腸で出血した場合は深刻な病気も多く元気食欲が消失することが多いため、このような症状が確認される場合はすぐに動物病院に行きましょう。

5.大腸に原因がある場合

下痢の原因が大腸にある場合は、排便の回数が増え、頻繁に少量ずつウンチが出たり、ウンチをしようと排便のポーズをとるのにほとんど便が出ない「しぶり」の状態が見られることがあります。未消化物はあまり見られませんが、ゼリーのような粘膜便や赤い血が混じる血便が確認できることが多いです。もちろん症状によりますが、適切に対処すれば大腸性の下痢の方が大事には至らない事が多いです。

では、下痢や軟便はどのような原因で起こるのでしょうか?

下痢・軟便などお腹トラブルの原因

主な原因は以下のようなものがあります。

感染

ウイルスなどの微生物の感染によって引き起こされる下痢です。

猫が感染する代表的なウイルスには、猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)があります。パルボウイルスは発熱・嘔吐などを伴い急激に進行して重篤化すると死亡する恐れのある感染症です。ワクチン接種で予防できますので、できればワクチンで予防しておくことをおすすめします。

また、特に子猫においてカンピロバクター感染症のように細菌の感染やコクシジウムなどの寄生虫が原因となる場合もあります。これらの感染は原因が分かれば適切な投薬で対処できます。

内臓系の疾患

膵臓や肝臓、内分泌の病気や、消化器の病気などが原因になる場合もあります。腸の悪性腫瘍が原因となり慢性的に下痢をするケースもあります。

食事・フード

食べすぎた場合や、ペットフードを変えた場合、体質に合わないフードを食べた場合、消化・吸収不良を起こして下痢になる場合があります。また、食物アレルギーが原因で発生する場合もあります。

誤飲・誤食・投薬の副反応

薬物や殺虫剤等の中毒物質や、異物を誤飲すると下痢を発症する場合があります。抗生剤など通常処方される薬でも副反応で下痢を起こすことがあります。心当たりや不安があれば、すぐに獣医師に相談しましょう。

ストレス

猫は環境の変化にとても敏感な生き物です。引越しや部屋の模様替えなどで生活環境が変わることや、多頭飼育、長時間の移動といった事柄がストレスになり、下痢を発症することは珍しくありません。環境に慣れれば改善することも多いですが、長く続く場合は、他の要因も疑ってみてください。

では、下痢を起こさないようにするにはどのような方法があるのでしょうか?

下痢・軟便などお腹トラブルを防ぐ方法

猫 下痢・軟便

ワクチンでの感染予防や猫にとってストレスの少ない生活環境を心掛ける、危険な異物や人の食べ物を出しっぱなしにしないなど、まずはあらかじめ下痢の原因になりそうな要因に対処しておくことが大事です。

そのうえで、下痢をしにくい食事管理やその子の体質に合ったキャットフード選びも重要なポイントになります。

腸内環境を整える食材や機能性成分が入ったキャットフードを選んでみることや、ウェットフードを組み合わせて水分調整をしてあげるなど、普段の食事で下痢になりにくい体質づくりの工夫をできることがあります。

また、その子の「適量」の食事がどのくらいか、ということも重要です。フードには給与のガイドラインが書いてありますが、これはあくまでも目安であり、猫の体質や運動量によって適量は大きく変わってきます。ウンチの状態が緩めで安定しない場合は、少し量を少なめに調整してみると良いかもしれません。逆に便秘気味の子では、ウェットフードを活用したり少しフードを増やしたりしてみると良い場合もあります。この対処法は一概には言えませんが、ウンチ・体重・毛並みなどの様子を見ながら「適量」を探してみてください。

動物病院に行くタイミング

猫 動物病院

1回の下痢が、必ずしも動物病院に行くべきアラームになるわけではありませんが、数回の排便で下痢が続く、あるいは24時間以上続く場合は、動物病院に行くタイミングとなります。

同じことは、少量の血が入っている便や粘膜のコーティングを発見したときにも当てはまります。このような場合も、症状が続く場合や、1度の便に大量の血液が含まれる場合は、動物病院に行きましょう。

病院に行く際は、猫に元気はあるか、食欲はあるか、ほかに症状(嘔吐など)はないか、いつから下痢をし始めているのかなどを伝えられるようにしておきましょう。便を病院に持っていければベストですが、難しい場合は写真を撮っておくと診断の手助けになります。

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この記事を書いた人

きっしー ペットキュリアン ブランドマネージャー

幼少より動物好き。なぜか乳牛に心を奪われ、大学時代は「飼育ストレスが乳生産に与える影響」が研究テーマ。その中で、どんな生き物のどんなライフステージおいても重要な「餌・ごはん・栄養」に興味が湧き「餌好き」に。現在の愛犬はトイプードル2頭。広島県出身で地元とカープを愛しペットには広島にちなむ名前をつけている。犬達と車中泊で「晴れた場所」に行くことが心の糧。ペット栄養管理士。

監修獣医師

川本 紗弓 獣医師・ペット栄養管理士

日本大学 生物資源科学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務した経験を経て、毎日の食事が犬猫の健康に大きな影響を与えることに気が付き、栄養学の道に進む。専門は犬猫だが、鳥も大好きで、家族のシニアインコを溺愛。

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