犬にきゅうりを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2023/04/06

犬 きゅうり

夏野菜の代表格とも言われるきゅうり。

約95%が水分なので栄養素がないと思われがちですが、カリウムやβカロテンなど犬の健康に役立つミネラルやビタミン類も含まれています。

そんな「きゅうり」を犬が美味しそうにシャキシャキと食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にきゅうりを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

結論から言うと、きゅうりは犬に与えても大丈夫な野菜です!

本記事では、犬にきゅうりを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。

この記事で伝えたいこと

犬にきゅうりは生で与えることができるので、夏場の暑い日や運動後の水分補給にも最適

低カロリーのきゅうりも与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつやご褒美に

きゅうりのヘタ部分には苦味成分ククルビタシンが少量含まれている可能性があるので取り除く

犬はきゅうりを食べても大丈夫

犬 きゅうり

結論から言うと、きゅうりには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

水分が豊富で低カロリー、しかも生で食べることができるので、夏場の暑い日や運動後の水分補給に与えるのにも最適です。

ただし与え過ぎは要注意です。

きゅうりは95%以上が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。

食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、おやつやドッグフードのトッピングとして検討するのが良いでしょう。

総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

きゅうりに含まれる栄養素と効果

犬 きゅうり

きゅうりは、低カロリーでありながらもカリウムやβカロテン、ほかにも食物繊維やビタミンKなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。

そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます
  • βカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます
  • 食物繊維は、腸の働きを整える効果があり、便通の改善が期待できます

きゅうり100gに含まれる栄養成分と効果

以下では、きゅうり100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

カリウム 200mg

きゅうりにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

βカロテン 330μg

きゅうりには、βカロテンが豊富に含まれています。

βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。

食物繊維 1.1g

食物繊維は、犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的であったりといわれています。

ビタミンK 34μg

出血が合った際に、血を止める凝固作用や骨の形成をサポートする役割があります。

たんぱく質 1.7g

きゅうりには、少量ですがタンパク質が含まれています。タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている非常に重要な栄養素です。

※きゅうり(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06065_7

犬へのきゅうりの与え方

犬 きゅうり

犬にきゅうりを与える際は、生のまま与えて問題ありません。

ただし、きゅうりの皮に農薬が残っている可能性もあるので、水でしっかり洗ってから与えるようにしてください。

また与える際は、犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットして喉に詰まらせないように配慮してあげましょう。

きゅうりの皮は与えてもOK。ただし、消化のために剥いてあげたほうがよい

犬 きゅうり

きゅうりの皮は犬にとってあまり消化がよくありません。

消化器官が弱っているシニア犬やお腹を壊しやすい犬がたくさん食べてしまうと消化不良を起こしてしまう可能性があるので、心配であれば、皮は取り除くようにしましょう。

犬にきゅうりを与えるときの適量

犬 きゅうり

いくら低カロリーのきゅうりでも与えすぎには注意しましょう。

特に消化器疾患がある犬は、繊維質が含まれているきゅうりを与えすぎてしまうと下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が含まれているといってもきゅうりだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、きゅうりはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。

一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなりますが、きゅうりのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。

きゅうりは95%以上が水分ですので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。そのため、小型犬で最大きゅうり1/4~1/3本程度を目安に調整することをおすすめします。

犬にきゅうりを与える際の注意点

犬 きゅうり

きゅうりは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる野菜ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

きゅうりに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。

健康な犬の場合、カリウムは犬の体の中で使われたあと、腎臓で濾過され尿として体外に排出されます。しかし、腎臓の機能が低下すると、カリウムの排泄が減少し、高カリウム血症を発生する可能性があります。

高カリウム血症の症状には、筋力低下、不整脈、消化器症状などがあり、重症化すると命にかかわることなので注意しなければなりません。

特に療法食を食べている犬の場合には、きゅうりをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

きゅうりには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にきゅうりを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

苦味成分ククルビタシンに注意

きゅうりなどウリ科の野菜には、苦味成分であるククルビタシンが含まれることがあります。

ククルビタシンを多く摂ってしまうと、嘔吐や下痢をするなどの症状が出ることがあるので、「苦味のあるきゅうり」は犬に与えないようにしましょう。

一般的にスーパーなどで食用として販売されているきゅうりには、ククルビタシンはほとんど含まれていません。また含まれる場合もヘタ部分が多いので、ヘタは取り除くように心がけるとよいでしょう 。

なお、観賞用のウリ科の植物にはククルビタシンが多く含まれる場合があるため注意が必要です。

きゅうりに関するよくあるQ&A

Qきゅうりの加工食品(漬物・キムチなど)は与えても大丈夫でしょうか?

A漬物・キムチなどの加工食品は、味付けのための塩分やトウガラシなどの刺激物・犬が食べてはいけないネギ類などの野菜が含まれているので、少量であっても犬に与えないようにしましょう。

まとめ:きゅうりは、犬のおやつ程度に

犬 きゅうり

水分豊富で、低カロリー、それでいて生で食べることができるきゅうりは、水分補給として与えるのに最適な野菜です。

ただし、いくら低カロリーといっても与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。そして、きゅうりを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

トマトキャベツなどきゅうり以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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