【獣医師監修】犬にナスを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2025/04/25

【獣医師監修】犬にナスを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

天ぷらから麻婆茄子、パスタなど、幅広いジャンルの料理に活躍するナス。
お盆の飾りにも使われるように夏が旬の食材ですが、犬にも与えたいと考える方もいるのではないでしょうか?

一方で、次のような疑問を抱く方も多いでしょう。

  • 犬に人間の食べ物を与えていいのだろうか?
  • ナスの成分は犬にとって安全なのか?
  • どのくらいの量を与えたらいいのだろう?

結論から言うと、ナスは犬に与えても大丈夫な野菜です。

本記事では、犬にナスを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点までを分かりやすく解説します。

犬はナスを食べても大丈夫

結論から言うと、ナスには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
しかし葉や茎には有害成分が含まれているため注意が必要です。

また、与え過ぎは要注意です。ナスの約90%は水分でできていることから、水分補給を超えてたくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられるためです。あくまで適量であることが大切です。

また、皮は消化しにくいため、特に生であげるときには細かくカットするようにしましょう。

犬はナスを食べても大丈夫

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

ナスに含まれる栄養素と効果

ナスに含まれる栄養素と効果

ナスには、食物繊維、カリウムなどのミネラルやビタミン類(特にビタミンB群やビタミンE、ビタミンC)、ナスニンなど、犬の健康維持に役立つ栄養が含まれています。
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。
  • カリウムは、神経や筋肉の正常な機能をサポートし、血圧を正常に保つ働きがあります。カルシウムは、骨格を強化し、歯や骨の健康を維持します。
  • ナスニンはポリフェノールの一種で、主に皮に含まれています。抗酸化作用があるため老化防止などの効果が期待できます。

ナス(ゆで)の可食部100gに含まれる栄養成分と効果

ナスに含まれる栄養素と効果

以下では、上記で示したような大根100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

食物繊維 2.1g

食物繊維には2種類あります。水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」です。
水溶性食物繊維は、血糖値の上昇をゆっくりにして、コレステロールを体外に出すのを助けます。不溶性食物繊維は、腸で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして便通を良くします。
また、腸内の善玉菌のエサにもなり、腸内環境を整える働きがあります。

一方で、食物繊維の摂り過ぎは消化不良を起こし、かえって腸内環境が悪くなる可能性があるので注意が必要です。

カリウム 180mg

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

ビタミンB1 0.04mg

糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。疲れにくい体をつくるために必要と言われています。

ビタミンB2 0.04mg

皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。

ビタミンE 0.3mg

紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。

ビタミンC 1mg

体の細胞と細胞の間をつなぐコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。
また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。

※ナス(ゆで)の可食部100g当たりの数値
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06033_7

犬へのナスの与え方

犬へのナスの与え方

ナスの与え方

ナス科の植物の葉や茎にはアルカロイドという有毒成分が含まれています。
一般的にスーパーで売られているものに葉はついていないことが多いですが、硬く消化に良くないことも含めヘタもあわせて取り除いてください。

他にもナスはほうれん草の1/4ほどのシュウ酸を含んでいます。シュウ酸はカルシウム尿石症の原因にもなりますので、必ず水にさらしたり茹でたりしてシュウ酸を減らしましょう。

また、火を通したほうが消化に良いため、加熱することをおすすめします。加熱後は火傷の可能性もあるため十分に冷ましてから与えるようにしましょう。

犬は食事をするときにあまり噛まず、そのまま飲み込んでしまい、喉に詰まらせる可能性もあるため、犬が消化しやすいよう、犬の大きさや食べ方に合わせて小さくカットしましょう。
ナスの皮にはナスニンという体に良いとされている成分も含まれていますが、皮は消化しにくいためなるべく取り除くか、フードプロセッサーなどで細かくしましょう。

犬にナスを与える時の適量

犬にナスを与える時の適量

100gあたりのカロリーがわずか17kcalのナスとはいえ、与えすぎには注意しましょう。約90%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。

おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、ナスのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。

栄養素の観点も含めて考え、「1~2cm程度に小さくカットしたものを15g〜30g程度にとどめる」ことを目安にしましょう。

犬にナスを与える際の注意点

ナスは、健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。

食物アレルギーに注意

食物アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
ナスには少量ですがタンパク質が含まれているので、極稀にアレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にナスを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

ナスに含まれるリンやカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、オクラをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

ナスに関するよくあるQ&A

ナスに関するよくあるQ&A

Qナスの漬物や天ぷらを犬に与えても大丈夫でしょうか?

A浅漬けや揚げ物、炒め物など人間用に作ってあるものは調味料や添加物を含み、犬にとっては体の負担になってしまう場合があります。
塩分過多や脂質の摂りすぎなどで健康に害を及ぼす可能性が高いので与えるのは控えましょう。

ナスに関するよくあるQ&A

Qナスを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、それまでは、食物繊維を豊富に含むナスは与えないほうが良いでしょう。
老犬も同様に、消化器機能が弱っていることや喉に詰まらせるリスクがあることから与えないほうが無難です。

まとめ:ナスは、犬のおやつ程度に

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるナス。ただし、いくら栄養価が高いからといってもナスはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

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監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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