【獣医師監修】夏に起こりやすいトラブルとは?犬の夏バテや熱中症・脱水などについて解説

2025/04/25

犬 皮膚病

夏は長期休みもあり行楽シーズンである一方、近年の気温上昇の影響から、毎日のように猛暑日・熱帯夜が続き、犬の体にもトラブルがおこりやすい季節になっています。

代表的なトラブルには以下のようなものがあります。

  • 夏バテ
  • 熱中症
  • 脱水症状
  • 皮膚トラブル

犬と楽しい夏の思い出を作れるよう、夏に起こりやすいトラブルを知っておきましょう。

夏バテの原因や症状

ノミの生態

人では外の暑さと冷房の効いた室内との温度差によって体温調節等の身体的負荷などが重なり自律神経の乱れが起こることが原因と言われています。犬でも同様、暑さによって体温が過剰に上がってしまわないよう、体が抵抗することでいつもよりも負担がかかり、体調不良に繋がっていきます。

また、人は体温調節の方法のひとつとして汗をかくことができますが、犬は汗腺が発達しておらず主に呼吸で体温調節をすることに加えて、被毛に覆われていることからも熱を逃がしにくく、暑さに弱いと言われています。

夏バテになるとどんな症状が出てくる?

以下のように、基本的には人の夏バテと同じような症状が見られます。

  • だるそうにしている
  • 疲れやすくなる
  • 食欲が減る
  • 寝ている時間が増える

食欲が減り、空腹で胃の中が空っぽになってしまうと胃液を吐くこともあります。

また、食べる量が冬に比べて減っていても、冬に食べ過ぎているだけで夏に食べている量が適正な場合もあります。そもそも今食べている量が犬の体格に合っているのかという点も把握しておくと良いでしょう。

熱中症とは?

外耳炎になったらどうすればいい?

夏バテは徐々に体力が落ちていくのに対して、急に症状が出てくるのが熱中症です。
熱中症とは簡単に言うと身体の中に熱がこもっている状態です。

外にいる時だけでなく、気温の上がった室内や車内で起こることもあり、命に関わることもあるため注意が必要です。

熱中症になるとよだれや呼吸数・心拍数が増えるなどの初期症状が現れます。そこから症状が進むと脱水症状になり血流量が減少した結果血圧が下がり、粘膜が白くなったり嘔吐がみられたりします。ぐったりして苦しそうといった症状もみられ、さらに重度になると痙攣、意識の消失などが起こることもあります。

熱中症で命を落とさないためにはまず、早めに異常に気づくことが大切です。できそうであれば身体を冷たいタオルでくるむなど、身体を冷やす応急処置をし、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

脱水症状とは?

皮膚症状

また、暑い時期に人と同じように起こりやすいのが脱水です。
夏場は喉が渇くから、ということもそうですが、犬は体温調節のために水を飲むこともあると考えられています。

外出時はもちろんですが、室内でもエアコンで乾燥して脱水状態になることもあります。特にシニア犬や持病のある犬だと水飲み場まで行くことを面倒くさがってしまったり、ホテルなどに預けていつもと環境が変わることで緊張して水を飲まなくなったりします。

定期的な水分補給など日常的なケアや、食事の工夫などで予防してあげましょう。

日頃からできる対策方法は?

膿皮症になるとどうなる?

まずは夏バテ、熱中症、脱水など、夏に多いトラブルにならないように予防しておくことが大切です。以下のようなことに気をつけておいてください。

  • 室内の温度・湿度はなるべく一定に保つ
  • 暑い時間の外出は控える
  • 水分を定期的に摂取する
  • 食欲が減っていれば食事をふやかす、ウェットフードを活用する、など消化に良いものをあげる(食事ついでに水分をとることにも繋がります)

日頃から予防していたとしても、発症してしまうこともあります。いつもと違う様子が見られたら速やかに動物病院で診てもらいましょう。

夏に増える皮膚トラブル

膿皮症になったらどうすればいい?

夏は高温多湿で皮膚トラブルも起こりやすいです。外耳炎膿皮症・脂漏症など、涼しい時期には落ち着いていた症状が出てきてしまうことも増えるでしょう。

日頃から皮膚の様子を確認しておき、いつもと違う様子やにおいに気づいたら動物病院で診てもらうと良いでしょう。

また、散歩の時には地面、特に熱を吸収しやすい黒いアスファルトの温度が高く、肉球を火傷してしまう可能性もあります。 熱中症対策にもなりますので、お散歩の時間はなるべく涼しい早朝や夕方以降にしてあげると良いでしょう。

夏が旬!水分を多く含む食材

夏は皮膚トラブルが起こりやすい

夏野菜には体を冷やす作用があるものも多く、食欲が減退した時の気分転換にもおすすめです。

ただし食べ過ぎはお腹を壊す原因にもなるため、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

・きゅうり

・トマト

・スイカ

食事管理も自宅でできる予防のひとつ

暑い夏を乗りきるために、食事で栄養をしっかりととることは予防のひとつになります。栄養がバランス良くとれる食事で体力の維持を心がけましょう。

特に体作りに大切なだけでなく皮膚被毛の健康維持にも繋がるタンパク質や、疲労回復効果が期待できるビタミンB1などをバランス良く含んだ食事がおすすめです。

また、お腹を壊さないために、夏場は食事に雑菌が繁殖しないよう管理したり、冷たい食事をあげすぎたりしないよう注意しましょう。

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監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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