犬にいちごを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2022/11/02

犬 いちご

ショートケーキに欠かせないいちご。私たち人間にとって、いちごといえばビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれていて、美容や健康に良い食べ物として知られていますよね。

犬用ケーキにもよく使用されていますし、最近では犬と一緒に行くいちご狩りなどもあるそうです。そのため犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にいちごを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

本記事では、そうした犬にいちごを与えることの疑問に対してお応えします。

犬はいちごを食べても大丈夫

犬 いちご 食べる

結論から言うと、いちごは犬が食べても問題ない果物です。さらに、いちごは犬の健康に役立つ栄養が多く含まれています。また、水分が多いので、犬が水を飲みたがらない場合の水分補給にも役立ちます。

ただし、与える量に注意が必要です。与えすぎるとおなかを壊す原因となってしまいます。ご飯のトッピングやおやつ程度の量を与えるようにしましょう。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時やおやつ、食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。

総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

いちごに含まれる栄養素と効果

いちご 栄養素

いちごは犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • いちごの成分の大半が水分ですので、犬が水を飲みたがらない場合の水分補給として与えることができます。
  • 豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。生の果物・野菜に多く含まれるカリウムは、体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。

いちご1個(約15g)に含まれる栄養成分と効果

以下では、いちご1個(中サイズ約15g)に含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

ビタミンC 9mg

体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。

また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。

アントシアニン

いちごにはアントシアニンというポリフェノールが含まれています。アントシアニンはビタミンCと相性が良く、相乗効果により高い抗酸化作用を発揮します。アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。

カリウム 26mg

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

※いちごの可食部15g当たりの数値
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

犬にいちごを与える方法

犬 いちご 与え方

へたは必ず取り除く

犬にいちごを与える際は、人間が食べるときと同じように、必ず水で洗い、へたを切り取ってから与えましょう。いちごのへたは固く、消化しにくいためです。

細かく刻んでから与える

犬は、食べ物を噛まずにそのまま飲み込んでしまうことがあります。

柔らかいいちごであればそのままあげてもいいのではと思われるかもしれませんが、場合によっては喉に詰まらせる可能性もあります。カットしたり、潰したりしてから与えましょう。

犬にいちごを与えるときの適量(小型犬・中型犬・大型犬)

犬 いちご 適量

いちごの与えすぎには注意しましょう。

いちごは、水分量が多いため、与えすぎは下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

また、いちごに含まれる果糖を多く摂取し続けると肥満につながりますので、あくまでおやつやトッピングとして適量を与えるようにしましょう。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもいちごだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、いちごはおやつ、トッピング、またはご褒美として与えるようにしてください。おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10%分が許容量です。

以下が犬にいちごを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。

犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安

  • 小型(体重2~5kg) 61g~121g(中4個~中8個)
  • 中型(体重6~15kg) 138g~275g(中9個~中18個)
  • 大型(体重20~50kg) 342g~696g(中23個~中47個)

※いちご1個(中サイズ、約15g)に含まれるエネルギーは、約5kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出

犬にいちごを与える際の注意点

犬 いちご 注意点

いちごは、これまで見てきたように健康な犬には量を注意すれば問題なく与えられる食品ですが、注意が必要なケースがあります。

いちごにはキシリトールが含まれていると聞いたけれど?

以前アメリカでは犬のキシリトールによる中毒例が報告され、「体重1kgあたり100mgの摂取で重篤な低血糖に陥る懸念がある」とし、キシリトールの使用に注意するよう呼びかけられたことがあります。

キシリトールは、犬が摂取した場合血液中の糖分を調整するインスリンを大量に放出させるため、急激に血糖値が下がってしまうためです。

そしていちごは天然のキシリトールをごく微量含んでいるため、危険なのでは?と心配になる方もいるかもしれません。

いちごは確かにキシリトールを含んでいますが、同時にブドウ糖や果糖などの糖分もしっかり含んでいます。そのため、いちごを摂取することで低血糖になることは考えられません。

持病を持っている犬は要注意

犬 いちご 持病

いちごには多くの糖質が含まれています。そのため、糖尿病や心臓病など、糖質を控えなくてはいけない持病を持っている犬には、与えないほうがいいでしょう。また、肥満の犬にも与えないよう注意しましょう。

その他、いちごにはカリウムも多く含まれています。腎臓に障害がある場合はカリウムを十分に排泄できなくなるため、血中のカリウム濃度が上がり、不整脈を起こしたり、最悪の場合は心臓の動きが止まったりする可能性があります。腎不全などでカリウム制限を行っている犬には、いちごは与えない方がよいでしょう。

いちごアレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。犬がいちごに対して食物アレルギーの症状を引き起こすことはごく稀ですが、いちごはバラ科の果物で、バラ科のアレルギーのある犬にも反応することも考えられます。

アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが見られます。

初めて犬にいちごを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

その他、いちごに関するQ&A

いちごジュース 犬

Q.いちごの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?

A.ジャムやアイスクリーム、果汁100%以外のジュースには、人工甘味料や着色料、防腐剤、香料などの添加物が含まれていることが多いため、与えないほうが良いとされています。
たとえば、市販のいちごジャムは保存のために砂糖が多く使われおり、犬のおやつとしては適切ではありません。

Q.いちごジュースを与えても大丈夫でしょうか?

A.おうちで作る、ミキサーにかけたいちごジュースは、少量であれば与えても大丈夫です。
ただし、牛乳を加えた「いちごミルク」の場合、砂糖を加えていなかったとしても与えることはできません。犬は牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素ラクターゼを多く持たず、人間用の乳牛を飲んでしまうと下痢を引き起こしてしまうためです。

Q.犬にいちごを与えると寿命が延びると聞いたのですが、本当でしょうか?

A.いちごが直接的に寿命を延ばすという科学的な証拠は確認されていません。しかし、犬の健康にとって重要な「歯周病」の予防薬がいちごから作られていることが知られており、この点から、いちごが犬の健康維持に一役買っている可能性が考えられています。

Qいちごは子犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。

まとめ:いちごは、犬のおやつ程度に

いちご 犬 おやつ

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるいちご。ただし、いちごはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

与えるときは、必ずヘタを切り取り、小さくカットし、喉に詰まらせないようにしましょう。

そして、与える量は、1日の必要摂取カロリーの1割程度にし、いちごを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

その他の果物については「犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物は?与える際の注意点と合わせて解説」に詳しくまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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