犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物は?与える際の注意点と合わせて解説

2022/12/16 更新日:2023/7/23

旬の果物を楽しむ私たちと同じように「犬にも一口分けてあげたいな」と思う飼い主も多いのではないでしょうか。ましてや果物の多くは、ビタミンや食物繊維が豊富で体に良いといった話も聞いたことがあるかもしれません。

では、その果物、本当に犬が食べても大丈夫なのでしょうか?

結論から言うと「犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物」があります。

また大丈夫な果物でも与え方には注意が必要な場合が多く、飼い主としてしっかり理解しておく必要があります。

この記事では、犬に果物を与えたい飼い主のために「与えても大丈夫な果物」と「与えてはダメな果物」について、またその与え方について果物ごとに解説します。

犬に与えても大丈夫な果物・ダメな果物

最初に与えても大丈夫な果物とダメな果物を一覧でご紹介します。

犬に与えても大丈夫な果物

バナナみかんいちごメロンパイナップルりんごスイカキウイ、マンゴー、クランベリー、さくらんぼブルーベリーなど

犬に与えてはダメな果物

ぶどう、皮をむかない柑橘類、アボカド、イチジク、ドライフルーツ、プルーンなど

犬に与えても大丈夫な果物の詳細

与えても大丈夫な代表的な果物によって期待できる効果などより詳細をご紹介します。

バナナ

犬 バナナ

バナナに含まれる栄養による、犬の健康維持に期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • さまざまなビタミンB群は、犬のエネルギー源となる栄養を上手く代謝するのに役立ちます。また、粘膜や皮膚の健康維持に役立つナイアシンも含まれています。
  • 抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEは、細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。
  • カリウムやマグネシウムなどミネラルも豊富で、カリウムは血流をさらさらにし、マグネシウムは血圧を調整してくれます。
  • 繊維質が多く含まれていることから、便秘予防にも効果的です。

バナナに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

みかん

犬 みかん

みかんに含まれる栄養による、犬の健康維持に期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • みかんの成分の大半が水分ですので、犬が水を飲みたがらない場合の水分補給として与えることができます。
  • 豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • 犬がβカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。また、皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
  • みかんには、酸味成分であるクエン酸が含まれます。クエン酸にはエネルギーを補給したり、疲労回復を助けたりする効果があります。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。生の果物・野菜に多く含まれるカリウムは、体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。

みかんに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

いちご

犬 いちご

いちごに含まれる栄養による、犬の健康維持に期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • いちごの成分の大半が水分ですので、犬が水を飲みたがらない場合の水分補給として与えることができます。
  • 豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。生の果物・野菜に多く含まれるカリウムは、体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。

いちごに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

りんご

犬 りんご

りんごには犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • りんごの甘酸っぱい味を作り出している「クエン酸」と「リンゴ酸」には、疲労回復をサポートする働きがあります。また犬のシュウ酸カルシウム結石の予防に効果があると言われています
  • リンゴに含まれる「ペクチン」という水溶性の食物繊維には、腸内環境を整える働きがあり、腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果が期待できます
  • リンゴに含まれる「カリウム」には、浸透圧を調整する作用があり、体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外に排出することで、血圧が高くなるのを防ぎ、腎臓病の予防に役立ちます
  • 強い抗酸化作用が期待できる「りんごポリフェノール」は、病気の予防や老化防止に役立ちます

りんごに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

ベリー類

犬 ベリー類

スーパーフードとして注目されているベリー類。

そんなベリー類の多くは、抗酸化物質が豊富な他、ビタミン・ミネラル、ほかにもポリフェノールや食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 抗酸化作用:多くのベリー類には、抗酸化物質が含まれており、体内の活性酸素を減らす効果があります。これによりアンチエイジングや病気の予防につながるとされています。
  • ビタミン・ミネラル:ベリー類には、ビタミンCやビタミンK、カリウム、マグネシウムなどの栄養素が含まれています。これらの成分は健康維持や免疫力アップに役立ちます。
  • ポリフェノール:ポリフェノールは、植物にのみ含まれる光合成を行うときに作られる苦味や色素の成分です。抗酸化物質とともに、酸化ストレスやそれに伴う炎症、心臓病、ガンなどの病態から体の組織を保護することができます。
  • 食物繊維:食物繊維には腸の働きを整える効果があり、便通の改善が期待できます

ベリー類に関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

スイカ

犬 スイカ

日本の夏の風物詩ともいえるスイカ。スーパーに並ぶスイカを見かけるようになると夏を感じますよね。

そんなスイカは、カリウムをはじめとするミネラルやβカロテン、ビタミンC、リコピン、シトルリンなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。そうした栄養素によって期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • βカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。

スイカに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

パイナップル

犬 パイナップル

国産のパイナップルをスーパーで見かけるようになると夏を感じる人も多いのではないでしょうか。

そんなパイナップルは、ビタミンB1・B2やビタミンCなどのビタミン類からβカロテン、クエン酸、食物繊維、ブロメライン(ブロメリン)など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。そうした栄養素によって期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • ブロメライン(ブロメリン)と呼ばれる酵素は、肉や魚といったタンパク質の消化を促進し、消化不良が予防できると考えられます。

パイナップルに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬 桃

甘くて美味しい桃は、中国原産の果物で、主に果肉が白い白桃系と、果肉が黄色の黄桃(おうとう)系に分かれます。

そんな桃には、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類からカリウム、食物繊維、カテキンなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • カテキンは、病気の予防や老化の抑止に役立つほか、血圧や血糖値が上がるのを抑制する作用があると言われています。

桃に関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

さくらんぼ

犬 さくらんぼ

さくらんぼは、丸くかわいらしい見た目と色鮮やかさから人気があり、その甘酸っぱい味わいが特徴的な果物です。

そんなさくらんぼには、ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類からカリウム、βカロテン、アントシアニンなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • アントシアニンは、ビタミンCと相性が良く、相乗効果により高い抗酸化作用を発揮します。

さくらんぼに関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬 梨

夏から秋にかけて収穫される梨は、様々な品種があり、酸味があるものや甘味のあるものなどさまざまバリエーションを楽しめる果物です。

そんな梨には、カリウムや食物繊維、アスパラギン酸、ソルビトールにプロテアーゼなど犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。
  • アスパラギン酸は、エネルギー源として最も利用されやすいアミノ酸のひとつで、疲労回復効果が期待できます。

梨に関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬 柿

「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、古くは奈良時代から栄養価の高い果物として重宝されてきた柿。

そんな柿は、抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれています。それ以外にもβカロテン、食物繊維やカリウムなど犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • 犬がβカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。

柿に関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬 栗

栗は秋の味覚の代表格。

モンブランやマロンパイなど栗を使った料理も豊富で、秋を感じるスイーツを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

そんな栗は、エネルギー源になる炭水化物の他、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンAなどのビタミン類、カリウム、食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 炭水化物は、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。
  • ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。

栗に関するより詳細は以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬に果物を与える際の注意点

果物は細かく刻んでから与える

犬は、食べ物を噛まずにそのまま飲み込んでしまうことがあります。

柔らかい果物であればそのままあげてもいいのではと思われるかもしれませんが、場合によっては喉に詰まらせる可能性もあります。

必ず小さくカットしたり、すりつぶしたりしてからあげるようにしましょう。

皮や種は取り除く

皮や種のある果物は、人間が食べるときと同じように、必ず外皮を剥いてから与えましょう。

例えば、みかんの外皮には、「ソラレン」という中毒性の物質が含まれており、嘔吐や下痢の症状を引き起こす恐れがあります。

中にはバナナのように犬にとって危険な成分が含まれているわけではないものもありますが、基本的に皮は消化が悪く、消化不良や腸閉塞などにつながります。

消化の悪い皮は最悪の場合、命に関わる腸閉塞を引き起こすこともありますので、剥いた皮を犬が勝手に食べてしまわないように必ず届かないところに捨てることも大切です。

与える量はおやつ程度

果物を与える量は、1日の必要摂取カロリーの10%程度にし、果物を与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

人間に1口サイズの果物も、カラダの小さい犬にとってはかなりの高カロリー食品です。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富な果物であってもそれだけでは不十分です。

そのためドッグフードを主食として、果物はおやつ、またはご褒美として与えるようにしましょう。

犬に与えてはダメな代表的な果物の詳細

与えてはダメな代表的な果物についてより詳細の理由を紹介します。

ぶどう

犬 ぶどう

ぶどうは犬にとって中毒症状を引き起こす危険な食べ物です。

食べてしまった時に起こる中毒は、「急性腎不全」の症状と考えられており、数時間〜数日の間に急激に腎臓の機能(血液のろ過、血圧の調節、pHの維持、尿中の老廃物の排泄)が低下していく状態を指します。この急性腎不全が疑われる症状として、初期では以下のようなものがあります。

  • 元気がなくなる
  • 食欲がない
  • 嘔吐
  • 下痢

ぶどうに関するより詳細は「犬にぶどうを与えるのは絶対ダメ!中毒症状や対処法を解説」にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

アボカド

犬 アドカド

「世界でいちばん栄養価の高い果実」としてギネスブックに記録されるほどのスーパーフード「アボカド」。

実際にそんな栄養の優等生であるアボカドやアボカドオイルを使用したペット用製品も販売されています。

しかし、重篤な中毒症状を引き起こした例も報告されていることから、現時点においては食べさせない方がよいと考えられます。

アボカドを犬に与えてはいけない理由として「ペルシン」という殺菌作用のある成分が含まれていることが挙げられます。

ペルシンは、アボカドの葉・皮・種子・果肉に含まれており以下のような症状の原因になります。

  • 嘔吐
  • 下痢・軟便
  • 呼吸困難
  • 痙攣(けいれん)

アボカドに関するより詳細は「犬にアボカドを与えるのは控えよう!中毒症状の危険性や対処法を解説」にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物のまとめ

果物の多くは栄養豊富で、果物が持つ自然な甘みが好きな犬は多く、食べムラのある犬の栄養補助にも役立ちます。

一方で、美味しい果物を犬に食べさせたいと思う気持ちから、量を与えすぎたり、与えてはダメなものたべさせたりすると犬を苦しめることになりかねません。

特に糖質の高い果物では、肥満のリスクも高まります。

あくまでも、与える量は1日の必要摂取カロリーの10%のおやつ程度にとどめ、与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

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この記事を書いた人

なつ インポートマネージャー

「ペットに携わる仕事がしたい」の一心で、2年前に異業界からグローバルペットニュートリション㈱に転職。子供の頃に家にいたセキセイインコとは、友達のように喜怒哀楽を共有して一緒に育った。 学生時代の4年間をアメリカのイリノイ州で過ごす。趣味はテニスで、身体を動かすことが好き。 将来は、人間の家族と犬と一緒に朝活ランニングすることが小さな夢。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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