ポテトをドッグフードやキャットフードに使う理由。機能的利点と地球環境への負荷を減らす選択

2021/01/25

ポテト ドッグフード キャットフード

私たちペットキュリアンは、ペットそれぞれに合うレシピを作ることに誇りを持っています。

一匹一匹異なるペットには、それぞれに適した成分を使った食事が求められます。そのため、特にペットの健康を守るフードを作っている私たちは“どんな子にも合う万能のフード”というような考え方に疑問を感じずにはいられません。

わたしたちは、個々の体質や好みに合わせた必要栄養素を満たすためにさまざまな成分を使用した多種多様なレシピを提供することが必要と考えます。

ポテト(ジャガイモ)とスイートポテト(サツマイモ)、この2つは、栄養面と機能面の両方で多様なペットフードのレシピ作りに役立つ食材です。

ポテト(ジャガイモ)やスイートポテト(サツマイモ)の鍵となる栄養素

ポテト ジャガイモ スイートポテト サツマイモ 栄養素

ポテト(ジャガイモ)やスイートポテト(サツマイモ)は、タンパク質や炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルといった多くの重要な栄養素を含む食材です。どちらもマンガンやリン、銅、カリウム、ビタミンB6を豊富に含んでいます。

ポテト(ジャガイモ)はビタミンCを多く含み、スイートポテト(サツマイモ)は素晴らしいベータカロテン源です。どちらのポテトも豊富に炭水化物を含んでおり、すぐに身体にエネルギーとして供給されます。

ポテト(ジャガイモ)とスイートポテト(サツマイモ)の大きな違いは、その色にあります。スイートポテト(サツマイモ)の特徴的なオレンジ色は、ニンジンにも含まれ、抗酸化物質でもあるベータカロテンに由来し、犬も人間もビタミンAとして利用することができます。

その他のポテトの利点

ポテトの利点

多くの必要不可欠な栄養素を豊富に含む食材であることに加え、ポテトは食感やドライフード・ウェットフードの構造形成に一役買っています。

ポテトに含まれる炭水化物の成分は、ドライフードの粒の形を整えたり歯ごたえのあるテクスチャーを作ったりするために使われます。炭水化物源無しには、あのペットたちが愛して止まないカリカリ食感は生まれません。

炭水化物源には他にも、ウェットフードの形成や食感にも重要な役割を果たしています。これは特に、食感や歯ごたえに敏感な猫たちにとってとても重要です。

また、炭水化物源はわたしたちに、異なる栄養水準を持つ様々なレシピを作ることを可能にする柔軟性を提供してくれます。

総合栄養食としてバランスのとれたレシピを作るためには、エネルギー(タンパク質・脂肪・炭水化物)となる栄養素が、そのペットの必要量を満たすように配合されていなければなりません。

もし炭水化物源の配合量を下げれば、エネルギー量を確保するためにタンパク質や脂質の割合を高める必要があります。このようなレシピは、ペットに本当に必要な量以上の(過度な)タンパク質や脂質を含むバランスになってしまう可能性があります。

このように炭水化物源は、特にレシピのタンパク質レベルをコントロールするのにも大変役立ちます。

ポテトはサステイナブルな原材料

ポテト サステイナブル

ポテトを原材料に使う理由は、ただ単に栄養面での利点があるからではなく、地球環境に配慮したサステイナブルな原材料でもあるからです。

タンパク質は代謝的にも地球環境においても負荷のかかる栄養素です。このことを念頭に考えると、多くの健康なペットには、多すぎず少なすぎない「適正なバランス」のタンパク質量を含む食事が重要ということになります。

多くの犬が適正なタンパク質量を得うる、1回の食事に含まれるタンパク質量目安は22-26%(ドライフード)であり、猫は26-32%(ドライフード)とされています。もちろん、運動量の多い任務を持つ犬達や、特別な疾患を持つペットなど、場合によって高いタンパク質を必要とする場合もあります。

ただしここで大切なことは、必要以上のタンパク質は体内で蓄えられないため、分解され、その窒素は尿素に変換されて、尿によって排泄されます。タンパク質が無駄になってしまうだけでなく、高濃度の窒素を含む尿は地球環境にも悪影響があり、且つお庭の芝を枯らしてしまう原因ともなりえます。

加えて、動物性のタンパク質の製造には、植物性のものより大幅に地球環境への負荷がかかります。

適正な量の動物性タンパク質と組み合わせつつ、タンパク質源や炭水化物源としてポテトを使用することで、サステイナブル(持続可能)な方法で、ペットの必要な量の栄養素を満たすことが可能となります。

血糖値の上昇スピード(GI)について

血糖値 上昇スピード(GI)

ペットフードに含まれる炭水化物源を比較検討する際に、よくトピックとして上げられるのが血糖値の上昇スピード(GI)です。

血糖値の上昇スピード(GI)は、血糖値への影響に基づいて人間の食品をランク付けするためのツールとして最初に研究が進みました。人間においては、血糖値の上昇スピード(GI)の抑えられた食品は体重管理や慢性疾患の予防と関連付けられていますが、これは犬や猫では同じ効果は確認されていません。

もうひとつの懸念点として、一般的に人間の栄養学研究で「低GI(血糖値の急上昇を招かない)」について議論する際は、食事全体ではなく、単一の食材あるいは成分が評価されている点です。

多くの犬や猫は、単一の成分ではなく様々な食材や成分が含まれるフードを食べています。また同じフードを長い期間食べることも多くあります。このような食生活の中では、フードの中の単一の成分が「低GI」であったとしても、フードそのものが「低GI」とは限りません。

実際に、犬や猫の栄養学研究においては、いろいろな種類の炭水化物源を含むドライフードを与えた場合、血糖値は急上昇しないことが示唆されています。つまり、単一の成分に対するGI値はペットフードを評価するツールとしては適さない可能性があります。

ポテトはアレルギーと真菌感染症の要因とは考えられていない

ポテト アレルギー 真菌感染症

ポテトは犬や猫にとって一般的なアレルゲンとは考えられていません。実際に、ジャガイモもスイートポテトも低刺激性のペットフードによく使われています。

犬や猫がポテトのような炭水化物源を含むフードを食べることによって、真菌感染症のリスクを高めてしまうと言われることがあります。真菌はエネルギー源として炭水化物源(つまりブドウ糖)を必要としますが、犬や猫が炭水化物を摂取することによって真菌感染症のリスクが高まることはありません。

炭水化物はエネルギー源としてブドウ糖に代謝されますが、血中のブドウ糖の量は健康な動物においてはしっかりとコントロールされます。

真菌は、健康な子の皮膚表面に自然に存在しており、普段は何か問題を起こすことはありません。真菌感染症が発生するときは、皮膚表面で真菌が爆発的に増えてしまうような何らかの変化が起こっています。

主な要因として病気やアレルギーが原因でその子の身体(免疫)が弱まっていることが多いです。

まとめ -ポテトをドッグフードやキャットフードに使うこと-

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ドッグフードやキャットフードについて最も大切な考え方は、そのフードやレシピがその子の健康や生命を支えるために必要な全ての栄養素を含んでいるか、ということです。

成分や原材料はこれらの栄養素を提供するための手段ですが、最終的にはそのレシピ全体にどれ程の栄養素が含まれているのかが最も重要となってきます。ペットの必要栄養素は、多くの異なる成分の組み合わせによって満たすことができます。

わたしたちペットキュリアンは、ポテトを必要不可欠な栄養源としてのみならず、ポテトの持つ機能的利点と、地球環境への負荷を減らす選択としても原材料に使用することを選んでいます。

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この記事を書いた人

Natalie Asaro

ペットキュリアン社のコンパニオンアニマル栄養士であるNatalie Asaroは、カナダ ゲルフ大学にて、生物科学の優等理学士号とコンパニオンアニマル栄養学の修士号を取得。修士課程研究では、猫のエネルギーと栄養素の代謝に焦点を当てており、複数の査読付き論文を発表。フードの構成やペットの栄養学研究を最新に保つことに熱心に取り組んでいます。カエルや鳥、猫などいろいろなペットと過ごしてきた彼女は今、おやつ大好きお昼寝大好きのミニチュアダックスフンドのGus君との時間を楽しんでいます。

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