【獣医師監修】犬にセロリを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2025/12/4

【獣医師監修】犬にセロリを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

独特な香りとシャキシャキ食感が特徴的なセロリ。
セロリに含まれている成分が不眠やイライラを解消し、食欲を促す働きがあると言われることから、犬にも与えたいと考える方もいるのではないでしょうか?

一方で、次のような疑問を抱く方も多いでしょう。

  • 犬に人間の食べ物を与えていいのだろうか?
  • セロリの成分は犬にとって安全なのか?
  • どのくらいの量を与えたらいいのだろう?

結論から言うと、セロリは犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬にセロリを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点までを分かりやすく解説します。

犬はセロリを食べても大丈夫

結論から言うと、セロリには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

ただし、与え過ぎは要注意です。
セロリの約90%は水分でできていることから、水分補給を超えてたくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられるためです。あくまで適量であることが大切です。

皮膚疾患

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

セロリに含まれる栄養素と効果

生活要因

セロリには、食物繊維、カリウムなどのミネラルやビタミン類(特にビタミンEやビタミンC、βカロテン)、独特な香りの成分であるアピインなど、犬の健康維持に役立つ栄養が含まれています。
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。
  • カリウムは、神経や筋肉の正常な機能をサポートし、血圧を正常に保つ働きがあります。
  • βカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • アピインにはリラックス効果があると言われています。

セロリ(生)の可食部100gに含まれる栄養成分と効果

セロリに含まれる栄養素と効果

以下では、上記で示したようなセロリ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

食物繊維 1.5g

食物繊維には2種類あります。水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」です。セロリはどちらの繊維も含みますが、不溶性食物繊維を特に多く含みます。
水溶性食物繊維は、血糖値の上昇をゆっくりにして、コレステロールを体外に出すのを助けます。不溶性食物繊維は、腸で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして便通を良くします。
また、腸内の善玉菌のエサにもなり、腸内環境を整える働きがあります。

一方で、食物繊維の摂り過ぎは消化不良を起こし、かえって腸内環境が悪くなる可能性があるので注意が必要です。

カリウム 410mg

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

ビタミンE 0.2mg

紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。

βカロテン 44μg

βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。

※セロリ(生)の可食部100g当たりの数値

犬へのセロリの与え方

犬へのセロリの与え方

セロリの与え方

セロリを与える際は、生でも加熱したものでもどちらでも良いでしょう。
少量なら生でも良いですが、セロリの繊維は硬く消化する時に負担がかかる可能性があります。
茹でる・蒸すなど加熱調理をしてあげた方が身体に優しいです。

セロリの葉も茎も食べることができますが、茎にはスジもあり硬いです。
犬は食事をするときにあまり噛まずそのまま飲み込んでしまうこともあります。
喉や腸に詰まらせたり消化不良の原因になることがあるため、犬の大きさや食べ方に合わせて小さくカットしましょう。

犬にセロリを与える時の適量

犬にセロリを与える時の適量

100gあたりのカロリーがわずか12kcalのセロリとはいえ、与えすぎには注意しましょう。約90%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。

おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、セロリのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。

栄養素の観点も含めて考え、「1~2cm程度に小さくカットしたものを15g〜30g程度にとどめる」ことを目安にしましょう。

犬にセロリを与える際の注意点

セロリは、健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。

食物アレルギーに注意

食物アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
セロリには少量ですがタンパク質が含まれているので、極稀にアレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にセロリを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

セロリに含まれるリンやカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、セロリをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

セロリに関するよくあるQ&A

セロリに関するよくあるQ&A

Q調理済みのセロリを犬に与えても大丈夫でしょうか?

A人間用に作ってあるものは調味料や添加物を含み、犬にとっては体の負担になってしまう場合があります。塩分過多や油で健康に害を及ぼす可能性が高いので与えるのは控えましょう。

セロリを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?

Qセロリを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、それまでは、食物繊維を豊富に含むセロリは与えないほうが良いでしょう。
老犬も同様に、消化器機能が弱っていることや喉に詰まらせるリスクがあることから与えないほうが無難です。

まとめ:セロリは、犬のおやつ程度に

犬のフケは皮膚のターンオーバーの乱れで起こります。
過剰にフケが出る原因は様々ですが、日々の生活を見直すことで良くなる可能性もあります。
とくに、毎日のことである食事内容の見直しは大切なポイントです。

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監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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