【獣医師監修】犬にエビを与える際は気を付けて!中毒症状の危険性や対処法や解説

2024/04/11

犬 エビ

プリッとした食感と甘みがたまらないエビ。

縁起の良い食材でもあり、おめでたい席でも良く使われます。高タンパクで低脂肪であり、抗酸化作用のある「アスタキサンチン」など、栄養も豊富です。

しかし、生のエビは犬の体内でビタミンB1欠乏症を引き起こす物質が含まれている危険な食べ物です。

本記事では、犬が生のエビを食べてしまった時に起こり得る中毒症状や、対処方法についてみていきます。

生のエビは絶対ダメ!アレルギーにも要注意

生のエビは絶対ダメ!

環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」に、「注意が必要なもの」の1つとしてエビが紹介されています。

エビにはチアミナーゼという酵素が豊富に含まれていますが、これは犬にとって欠かせないビタミンB1を分解してしまうため、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。ビタミンB1欠乏症は食欲不振や嘔吐、痙攣、筋力の低下やふらつきといった症状が現れます。

チアミナーゼ

ただし、チアミナーゼは加熱すると消えてしまいます。犬にエビを与える際は茹でる・蒸す・焼くなどして火をしっかり通すようにしましょう。

また、アレルギーにも注意が必要です。甲殻類アレルギーがある場合は加熱したとしてもアレルゲンになる可能性はなくなりません。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、加熱の上、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

犬が生のエビを食べてしまった時に起こり得る中毒症状

犬が生のエビを食べてしまった

生のエビを大量に食べてしまうと、ビタミンB1欠乏症になり、筋力の低下やふらつきが見られることがあります。

状態が悪化すると歩行障害や、けいれん発作などが起こり、最悪の場合命を落とすこともあります。

上記のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください

どのくらいの量の生のエビを食べると危険なのか

どのくらいの量の生のエビを食べると危険

どのくらいの量の生のエビを食べると危険なのかについては、犬の大きさや健康状態・年齢などによると考えられます。しかし、食べてしまった量が少なく、見る限り体調に影響がないからといっても、数日たって症状が発生したり、何も症状があらわれなくても体に不要な負担をかけている可能性は否定できません。

いつまでも元気でいてほしいと願うのであれば、どんな犬であっても生のエビを少しでも食べさせないようにするのが賢明です。

非常に身近な魚介類ですので、食事中はもちろん、台所に犬が入れるようにしている場合は調理中や保管時も、犬が誤って口にしないように、細心の注意を払うようにしましょう。

家族やその場にいる人にも伝える必要があります。

もし犬が生のエビを食べてしまったら

万が一、犬が生のエビを食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

その場合は食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をしてください。その際、下記の情報もなるべく具体的に伝えるようにしましょう。

  • いつ食べたのか
  • 何を食べたのか(食材のままか、寿司など調理済み食品か)
  • どのくらいの量を食べたのか
  • 今、犬の体調はどうか

病院に行く際、もし食べたものと同じものが残っていれば一緒に持っていくのがおすすめです。

動物病院ではこれらの情報や症状をもとに、血液検査を行ったり、場合によっては吐かせたり胃の洗浄などを行います。また、既に中毒症状が出ている場合は投薬治療や輸血などを行うことも考えられます。なお、自己判断で応急処置をすることは危険ですので絶対にやめましょう。

加熱したエビであっても、アレルギーには注意

アレルギー

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

加熱したエビであれば、犬に与えることはできますが、タンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬に加熱したエビを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

エビに関するよくあるQ&A

エビに関するよくあるQ&A

Qエビの加工品であるエビせんべいや干しエビは与えても大丈夫でしょうか?

A加工品の場合加熱処理してありますので、チアミナーゼの心配はありませんが、人間用の食品は味付けされていることがありますので、与えないようにしましょう。犬用に販売されているものをおすすめします。

Q頭や尻尾・殻を与えても大丈夫でしょうか?

Aエビの頭や尻尾・殻は硬く、消化しにくいため犬には加熱したとしても与えないようにしてください。

まとめ:犬に生のエビは絶対NG

犬に生のエビは絶対NG

犬にとって生のエビは、ビタミンB1欠乏症を引き起こしかねないとても危険な食べ物です。

飼い主としてしっかり注意をし、絶対に誤って犬が口にしないようにしましょう。万が一、犬が生のエビを食べてしまったら食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。

エビ以外の生の魚(刺し身)については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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