【獣医師監修】犬にきのこを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2024/03/26

犬 きのこ

身近な食材である「きのこ」。日本での歴史は古く、縄文時代から食べられていたと言われています。

1年中スーパーなどで入手しやすく、低カロリー食として認知されており、和食にも洋食にも大活躍の食材です。

そんなきのこを、犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にきのこを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

結論から言うと、きのこは犬に与えても大丈夫な食材です!

本記事では、犬にきのこを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。

犬はきのこを食べても大丈夫

結論から言うと、「えのき」「舞茸」「しめじ」「エリンギ」「しいたけ」「マッシュルーム」「松茸」などのきのこは、犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

多くのきのこは具として存在感もありながらも低カロリーなので、肥満防止や栄養バランスを考えて手作り食を作るときにおすすめしたい食材とも言えます。

ただし、散歩先の公園や庭などに生えている野生のきのこは、中毒物質を含むものもあるので、絶対に与えたり、拾い食いさせたりしないようにしましょう。

また与え過ぎにも要注意です。

人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

きのこに含まれる代表的な栄養素と効果

きのこの多くは、βグルカンを含む豊富な食物繊維の他、ビタミン類、カリウムなどの犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。

そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • βグルカンは免疫細胞を活発にさせ、免疫力を強化する働きが期待できます。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。
  • さまざまなビタミンB群は、犬のエネルギー源となる栄養を上手く代謝するのに役立ちます。

代表的なきのこに含まれる栄養成分と効果

えのき

淡白な味わいで癖のない「えのき」は、特に晩秋から冬にかけて鍋料理の具材として人気の食材です。

βグルカンを含む豊富な食物繊維の他、ビタミンB群、ビタミンDなどのビタミン類、カリウムなどの犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。

さらに、えのきにはGABA(γ-アミノ酪酸)という神経伝達物質が含まれています。コンビニやスーパーなどでGABAと書かれたチョコレートのパッケージを見たことがある人も多いのではないでしょうか。GABAは脳内の興奮を抑え、神経を落ち着かせる働きがあります。

えのきの詳細については、以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

舞茸

独特の香りと歯ごたえのある「舞茸」は、秋の味覚の代表格です。

今では栽培方法も進化し、年間を通して食べることができることから、食卓にのぼる機会も多くなりました。

えのき同様、食物繊維の一種であるβグルカンなど免疫系に働きかける成分が豊富に含まれているのが特徴です。

さらに舞茸にはエルゴステロールと呼ばれる、紫外線に当たることでビタミンDに変化する特性をもった成分を含んでいます。

ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収をサポートする栄養素です。

骨や歯の健康維持に必要で、ビタミンDが欠乏すると、骨粗しょう症やくる病などの病気になる可能性があります。

舞茸の詳細については、以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

しめじ

きのこの中では味の癖がない「しめじ」は、和洋中といろいろな料理に使いやすく、栽培したものは年間を通して食べることができることから、食卓にのぼることも多いのではないでしょうか。

他のきのこ同様に、βグルカンを含む豊富な食物繊維の他、ビタミンB群、ビタミンDなどのビタミン類や、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類といった犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。

しめじの詳細については、以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

しいたけ

豊かな香りと旨味、独特の食感は日本で古くから親しまれている「しいたけ」。

他のきのこ類同様に食物繊維やビタミンDなど体によい影響を与える成分が豊富で、しかも低カロリーの食材です。

その中でもしいたけ特有の成分であるエリタデニンは、リン脂質やリノール酸の代謝に影響を及ぼして、血液中の悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす効果も期待できるほか、免疫力も高めてくれます。

エリンギ

コリコリとした食感を楽しめる「エリンギ」は、その独特の食感が人気となり、今やスーパーでは定番のキノコとしても並んでいます。

他のきのこ類同様に食物繊維やビタミンDなど体によい影響を与える成分が豊富なだけでなく、アミノ酸を含んだ優秀食材です。

エリンギに含まれるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、体の疲労によって生じた乳酸を分解してエネルギーに変換する作用があるため、疲労回復効果が期待できます。

マッシュルーム

キノコの仲間であるマッシュルームは、独特な風味が人気の食材で、他のきのこ同様に犬が食べても問題ありません。

マッシュルームは他のキノコ類と同様の特徴があり、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。

特にミネラルとして知られるセレンという成分は、体を酸化させる原因の活性酵素から体を守り、老化や病気、がんを予防する効果があると言われています。

犬にきのこを与える方法

犬にきのこを与える際は、人間が食べるときと同様で生のまま与えてしまうと消化不良を起こす可能性があるため、必ず加熱調理してから与えるようにしましょう。

きのこの多くは加熱しても栄養素が流れにくいので、栄養素の観点からも問題ありません。

犬にきのこを与えるときの適量

低カロリーのきのこですが、与えすぎには注意しましょう。

きのこの90%近くは水分なので、摂り過ぎは下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

おやつとして与える際は、一般的に一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、栄養素の観点も含めて考え、一口サイズに小さくカットしたものを、1~3欠片与える程度にとどめておくことを目安にしましょう。

犬にきのこを与える際の注意点

きのこは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることができますが、注意が必要なケースがあります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

きのこに含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。

特に療法食を食べている犬の場合には、きのこをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

食物アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

きのこには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にきのこを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

消化機能が弱い犬

前述の通りきのこに含まれる豊富な水分が犬によって刺激となってしまうことがあります。

体質など個体差がありますが、食べ過ぎるとお腹がゆるくなったり、下痢になったりする可能性があるので慎重に与えるようにしましょう。

きのこに関するよくあるQ&A

Qきのこを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、それまでは食物繊維を多く含むきのこは与えないほうが良いでしょう。

老犬も同様に、消化器機能が弱っていることや喉に詰まらせるリスクがあることから与えないほうが無難です。

まとめ:きのこは、犬のおやつ程度に

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるきのこ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもきのこはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

また消化の観点からも必ず加熱処理をしてから与えるようにしましょう。

きのこ以外の食材については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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