【獣医師監修】犬が食べてもいいものまとめ|与える際の注意点と合わせて解説

2023/12/06

犬が食べてもいいもの

犬の祖先とされているオオカミは肉食でしたが、人間との共生で家畜化し雑食へと進化し、野菜や果物、穀物なども摂取できるようになりました。

市販されている総合栄養食のドッグフードは、そのフードと水を与えるだけで、健康を維持できるほど優れていますが、楽しみとしてフード以外の食材を与えてみたい人、手作り食に挑戦してみたい人などのために、この記事では犬に与えても安全な食材を解説します。

獣医師の監修の下、食べても大丈夫なものと注意すべきものを明確にしていますので、愛犬の健康維持と栄養バランスのために参考にしてください。

※本記事は、人の食べ物を犬に与えることを推奨している訳ではありません。犬によっては、どんな食べ物でもアレルギーを引き起こす可能性があるので、十分に注意してください。

犬が食べても大丈夫な食べ物

はじめに犬が食べても大丈夫な野菜をご紹介します。

犬に与えても大丈夫な野菜

犬に与えても大丈夫な野菜

犬に与えても大丈夫な野菜

根菜類:にんじん大根、カブ、じゃがいもさつまいもなど

葉茎菜類:キャベツブロッコリー白菜ほうれん草、小松菜、レタスなど

果菜類:トマトきゅうり枝豆ピーマン、ごぼう、なす、オクラ、かぼちゃ、パプリカなど

野菜を与える際の注意点

与えても大丈夫な野菜でも与え方には注意が必要なものもあり、飼い主としてしっかり理解しておく必要があります。

まずは、以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 細かく刻んでから与える
  • 消化しやすいように火を通す
  • 皮・種・茎・芯を与えてもよいかは野菜ごとに異なる・
  • 与える量はおやつ程度

ただし、野菜をたくさん与えると下痢や便秘を引き起こすことがありますので、与えすぎには注意しましょう。また野菜の硬い部分は取り除き、加熱処理や細かく切るなどの工夫をしてから与えることをおすすめします。

※ほとんどの野菜にはカリウムが含まれており、腎臓病や心臓病の治療中の場合、これらの野菜の摂取は制限する必要があります。

食べても良い野菜についての詳細は以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

犬に与えても大丈夫な果物

犬に与えても大丈夫な果物

犬に与えても大丈夫な果物

バナナみかんいちごメロンパイナップルりんごスイカキウイ、マンゴー、クランベリー、さくらんぼブルーベリーなど

果物を与える際の注意点

与えても大丈夫な果物でも与え方には注意が必要です。以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 果物は細かく刻んでから与える
  • 皮や種は取り除く
  • 与える量はおやつ程度

果物を与える際は、皮、筋、芯、種を取り除き、食べやすいサイズに切ることが重要です。また、葉や茎に有害な成分を含む果物もあるため注意が必要です。さらに果物は糖分が多く含むものが多いため、与え過ぎは避けましょう。

食べても良い果物についての詳細は以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

犬に与えても大丈夫な生肉

犬に与えても大丈夫な生肉

犬に与えても大丈夫な生肉

生食用馬肉(馬刺し用)

肉を与える際の注意点

生肉を犬に与えることは、素材が持っている活きた栄養素を摂取できる一方で、人間と同様、細菌や寄生虫による食中毒の危険性があります。

実際、ほとんどの獣医師と公衆衛生協会(AAHA、AVMA、CDC、FDA、CVMA、FEDIAF)は、犬のために生肉を与えるに際して、慎重に行うことを強調しています。

そのため与える際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 寄生虫や細菌に注意
  • 生肉用のものを与える
  • 生肉を安全に取り扱うためのガイドラインを守る

特にガイドラインは、犬だけでなく家族全員の健康を守るために重要ですので、生肉について書かれた以下の記事も参考に慎重に与えるようにしましょう。

犬に与えても大丈夫な穀類

犬に与えても大丈夫な穀類

犬に与えても大丈夫な穀類

米、パン、パスタ、そば、うどん、そうめんなど

穀類を与える際の注意点

小麦やトウモロコシ(コーン)に代表されるように安くて大量に入手できる食材である穀類は、ドッグフードの炭水化物源としてよく使われます。

一方で、穀類を与える際の注意点には以下が挙げられます。

  • アレルギーの原因になる
  • 肥満の原因になる
  • 必ず加熱調理して与える

穀類のなかでも、特に小麦やライ麦などに含まれる「グルテン」は食物アレルギーの原因となりやすいことから注意が必要です。また小麦、白米など穀類の過剰摂取は肥満を招きやすくなります。

穀類(グレイン)に関する詳細については以下の記事にまとめていますので、併せて参考にしてみてください。

犬に与えても大丈夫な乳製品

犬に与えても大丈夫な乳製品

犬に与えても大丈夫な乳製品

ヨーグルト、チーズ、ヤギミルクなど

乳製品を与える際の注意点

成犬は、牛乳に含まれる乳糖を分解できず、下痢や消化不良といった乳糖不耐症をひき起こす可能性があるため与えることができないと言われています。

ただし、ヨーグルトやチーズは、作る工程で乳糖の一部が分解されるため与えることができる食べ物になります。ただし、犬の体質や体格によっては、微量の乳糖でも消化不良を起こすことがあるので与えるときは少量から始めるようにしましょう。

ヨーグルトや乳糖不耐症については以下の記事にまとめていますので、併せて参考にしてみてください。

犬に与えても大丈夫な魚介類

犬に与えても大丈夫な魚介類

犬に与えても大丈夫な魚介類

マグロ、生食用サーモン、鯛、ブリ、カツオなど

魚介類を与える際の注意点

犬が人間用として処理された刺身を食べることは問題ありませんが、一部犬に生で与えない方が良い魚介類があります。特に以下の点には注意しましょう。

  • 人間の刺身用以外は生食禁止
  • タコ・イカ・エビ・カニなどチアミナーゼの多い魚介類は生食厳禁
  • 寄生虫や細菌に注意
  • アレルギーに注意

人間同様、食中毒の危険性があるので与えるときは、種類や鮮度に注意することが大切です。

与えても良い生魚(刺身)の詳細については以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

その他、犬に与えても大丈夫な食べ物

犬に与えても大丈夫な食べ物

その他、犬に与えても大丈夫な食べ物

豆類(豆腐納豆枝豆)、

犬の健康に良い食材として豆類や卵が知られていますが、これらを与える際には、調理方法などに注意が必要なものが含まれます。適切な方法で与えることを心掛けましょう。

犬が食べていいものを与えるときの注意点したい5つのポイント

犬に与えることができる食べ物は多く、そのメリットもありますが、与える際には注意が必要です。

これまでにもいくつかの注意点をお伝えしましたが、犬に食べさせる際の基本的な注意点を5つ紹介します。

1.細かく刻んでから与える

細かく刻んでから与える

犬は、食べ物を噛まずにそのまま飲み込んでしまうことがあります。

柔らかい食べ物であればそのままあげてもいいのではと思われるかもしれませんが、場合によっては喉に詰まらせる可能性もあります。 丸呑みしても大丈夫なサイズに必ず小さくカットしたり、すりつぶしたりしてからあげるようにしましょう。

2.皮・種・茎・芯の取り扱いには注意

皮・種・茎・芯の取り扱いには注意

皮や種の他、茎や芯のある食べ物を与えても大丈夫かどうかは、食べ物によって異なります

例えば、みかんの外皮には、「ソラレン」という中毒性の物質が含まれており、嘔吐や下痢の症状を引き起こす恐れがあります。他にもキャベツの芯は与えても問題ありませんが、子犬など消化器官が未発達の場合は、火を通したうえで細かくして与えるなど注意が必要なケースもあります。

一つ一つ確認してから与えるようにしましょう。

3.与える量はおやつ程度

与える量はおやつ程度

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富な食べ物であってもそれだけでは不十分です。

そのためドッグフードを主食として、その他の食べ物はおやつ、またはご褒美として与えるようにしましょう。

与える量は、1日の必要摂取カロリーの10%程度にし、与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

4.アレルギーに注意

アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

これまで犬に与えても良いとされる食べ物の中の多くにタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬に与える食べ物は少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

5.持病のある犬は獣医師に事前に確認

持病のある犬は獣医師

与えても良い食べ物の中にはリンやカリウムを含むものもあり、これらの栄養素は心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。

特に療法食を食べている犬の場合には、必ず事前に獣医師に相談してからにしましょう。

犬に与えても大丈夫な食べ物のまとめ

犬に与えても大丈夫な食べ物のまとめ

犬が食べても大丈な食べ物は多く存在し、うまく活用することで、栄養補給、水分補給、食欲増進などに役立てることができます。

一方で、栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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